模試で100点取るには?「量より質」か「質より量」か
呉駅前校校舎長の横川です。
忙しくしているうちにもう大学入試が迫ってきていますね。
今年はブログの記事をあまり書いてきていませんが、今春の卒業生が書いてくれたような指導をさらに改良して続行しています。
今年もマーク模試で満点を取る子が出てきました。
「もともといい点の人なんでしょ」と思われそうですが、例えば物理については
6月=74点 → 9月=72点 → 11月=100点
という推移をしています。そんなに良くないですよね。今までに蓄積してきた力が無事に出せた結果が今回の100点なんだろうと思います。
ではこの子はどうやって力を蓄積してきたのでしょうか?
◇ ◇ ◇
ここでちょっと話がそれますが、私わりとプロ野球が好きなんです。そのため元プロ野球選手の里崎智也さんのyoutubeチャンネルをたまに見たりしています。そうするとある日、こんな動画が目にとまりました。
サムネイルが独特で、「量より質!?それはありえない」とどぎつい文字が並んでいるのに興味を惹かれました。もしかして里崎さんは「質より量」の主義者なのでしょうか。
「質より量」はおかしい
コムタスでは「質より量」という考えは明確に否定しています。これは「低質な練習を大量に繰り返しても、低質なことしか身につかない」という経験則に基づきます。例えば野球を上手になりたい人が、おかしなフォームで1000回の素振りをしたとしましょう。これで上手になるでしょうか?むしろおかしなフォームが確立してしまうのではないでしょうか。だからわざわざ「打撃コーチ」という人がいて、毎年工夫を凝らして選手を指導しており、選手の打撃成績が低迷したらコーチが解雇される。それぐらい「正しい方法」というのは重要なわけです。
勉強の場合は「内容をよく理解していないのにたくさんの問題を解く」というのが「低質な練習」に相当します。なぜ低質なのかと言いますと、以下のような理屈です。数学を例にとって説明します。
(1)とりあえず問題文を読む
(2)何をしていいのか分からないので解答を読む
(3)解答には「○○の式を使うと...」などと書いてある
(4)なるほど○○の式を使うのか~と思って真似をする
(5)次に別の問題を読み、○○の式を使ってみたが答えが合わない
(6)解答を読むと別の「××の式」を使うことになっている
(7)その××の式を立てると答えが出た。
(8)次に、、、(→(5)に戻る)
このように「解答に○○をすると書いてあるから○○をする」ということを繰り返しても、実際のテストには応用が利きません。だってテストのときには「○○をせよ」と書いていないわけですから。
「学校の課題はきちんとこなしているのに成績が悪い」というタイプの子はこのパターンに陥っていることが多い印象ですね。言い換えるとこの勉強方法は「その問題だけは解けるようになる」という方法なので、全く同じ問題や、数字だけちょっと変えた問題ならば対応できます。ですが「同じ式が使えるが見た目が全く違う問題」には対応できませんし、またそもそも「なぜ今その○○の式を使うのか」ということを認識していないため、模試などには対応しきれません。
これが「質の低い勉強を繰り返す」という姿の末路です。こうなることが分かっているので、コムタスでは「質より量」という指導はいたしません。
では「量より質」なのか
里崎さんの話がずいぶん膨らんでしまいましたが、それでは「量より質」なのでしょうか。
これに関してもちょっと注意が必要です。
というのも、いかに上質な勉強だとしても、学習内容が定着するのにはそれなりに時間がかかりますし、理解したことを「見た目が全く違う問題」に適用する練習には試行錯誤も必要です。ですから「量より質」と思い込むのも危険です。ということは・・・
要するに「質の高い勉強を、できれば長時間行う」というのが一番いいわけです。
そういった観点で冒頭の卒業生の記事を読んでいただくと、コムタスが質と量の両方を向上させる場となっているということを感じていただけるのではないかと思います。
例えば
「コムタスの最大の魅力は『問題の読み方』を教えてくれる点にある」(質)
「家で勉強できない私が目標の勉強時間を確保できたのは」(量)
などです。
今年もさらに磨きをかけて塾生を引っ張っています。
◇ ◇ ◇
ここまで書いてから里崎さんの動画を見てみると、なんと里崎さんがおっしゃっているのは
「一流選手は質の高い練習を長時間行っている」
という意味のことでした。なんだ!それなら同じ意見です。里崎さんがサムネイルで「量より質!?それはありえない」と書いていたのは、「量より質という言い方で『楽して上手になろう』と思ってませんか?そんな甘いことは成り立ちませんよ」ということを伝えたいためだそうです。確かにそれは納得です。
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