お久しぶりです!現在のお仕事について教えてください。
この春に広島大学の医学部を卒業して、いま研修医1年目です。1~2ヶ月ごとに色々な科を回らせてもらって、患者さんの診察をしたり検査をしたりといったことを一通り経験させていただいています。指導してくださる先生方とのディスカッションを通じて、診断を下す難しさを日々痛感しています。
入学当初の目標は今もそのままですか?それとも新しい目標ができましたか?
入学当初は僻地医療や病理医といった方面など、広い方向に興味がありました。大学5~6年生のときにいろいろな科を見学する中で「リウマチ・膠原病科」という科に出会い、「まさにこれだ!」という運命のようなものを感じまして、いまはこの「リウマチ・膠原病科」に進みたいなと思っています。患者さんと直接関わり合うことができ、全身をくまなく診察でき、また慢性疾患を治療するという点で、自分の関心のど真ん中にはまりました。
高校生の頃は漠然と「特定の臓器のスペシャリストになるのではなく、患者さん1人1人をまるごと受け止めて診療するような医師になりたい」と思っていて、それを実現するための進路はよく分かっていなかったのですが、大学での学びを通してまさにうってつけの科に巡り会えて良かったです。
心の底で思っていることを形にできそうですね。素晴らしい。ではちょっと話を変えて、コムタスで印象に残っていることはどんなことですか?
一番印象に残っているのが、センター試験が近くなってみんなピリピリして緊張していた頃に、横川先生が「センター試験で例えば7割を目指している人は、残りの3割分は不安感を持ったまま試験会場に行くんです。3割は分からなくてOK。7割を目指しているのにまるで10割を目指しているかのような緊張感を持たなくていいんだよ」という話をされたことです。
学校のテストに対しては「1点でも多く取ること」をずっと目標にして準備をしていたのですが、センター試験ともなると範囲は広いし、合否のプレッシャーもあって不安ばかりが膨らんでいました。そんなときに「完璧でなくてもいいんだよ」と話してくださったことで、気持ちがスッと楽になりました。
大学の試験や医師国家試験も同様に、膨大な範囲が対象だけど完璧でなくていい試験なので、折に触れてこの言葉を思い出して落ち着きを取り戻しています。
そういう勉強の内容とは違った部分で加藤さんを支えていたとは驚きです。
何か「コムタスに通って良かったなぁ」と思い出すことはありますか?
先ほどの話と関連するんですけど、勉強だけでなくて精神面を支えていただいたなぁという思い出が多いです。受験直前期や志望校を決めるときに不安感がいっぱいありましたが、どんなときも冷静に道を示してくださったり、声をかけてくださったりしたのがありがたかったです。そもそも私、けっこう人見知りなんですけど、アットホームな感じで打ち解けられる雰囲気がありました。
勉強については、「勉強の仕方」について色々と教えていただけたのが役立っていますね。例えば「模試の復習」というのが学校の宿題にありましたが、どんな風にやればいいのか分からなかったので、とにかく解き直して提出!時間が足りなかったら睡眠時間を削る!というような復習をしていました。同じ問題を何度も解きましたが、解ける問題は解けるし、解けない問題は解けない。そういう繰り返しだったのですが、高2の冬にコムタスに来て初めて「復習ってこうやればいいのか」というのが分かって、それからは「模試の復習」の課題も身につくようになった実感があります。
現役のコムタス生に何か一言お願いします。
せっかくコムタスに通っているのなら、勉強のことはコムタスにお任せして、進路のことをちゃんと考えるといいかもしれません。私は高2の夏ぐらいまでは自分が何をしたいかをあまり考えずに「とりあえず勉強しておけばいいんだろう」みたいに思って過ごしていたので、今思うともったいなかったかも、と思います。
ただ、高校生のときに分かる進路の話って結局はよく分からないというか、「先輩から話を聞いて思っていたことと実際の状況が違う」ということも結構あるので、あんまり決めすぎない方がいいのかもしれませんね・・・大学に入ってからも勉強は続くので、そのときそのときのインスピレーションみたいなのを大切に日々勉強する、という意識を持つといいんじゃないかなと思います。