そもそも「復習」ってなに?FUKUSHUUになってない?
ママフクⓇ誕生の歴史や効能についてかけ足で紹介してきました。
ここで少し立ち止まって考えてみていただきたいことがあります。
「復習」
って何でしょうか?
「復習」が指すものが人によってかなり異なる = FUKUSHUU
別に「ママフク」を知らなくても「復習」が大切だということは、読者の皆様の意見が一致するところだと思います。
勉強を指導する側は「復習しなさい」「復習が大切だよ」と言いがちですし、勉強する生徒も「復習を頑張ります」などと思いがちです。
しかし実際には人によって「復習」が指すものが全く違っており、漠然としているのではないでしょうか?あるいは、見かけ上同じ行為をしていても、その成果が人によって大きくばらついていたり。
このように「復習」という呼称はとても曖昧なので、コムタスではFUKUSHUUのようにローマ字で表して注意を促すこともあります。曖昧な言説をローマ字で表すのは結構オススメですよ!読者の皆様もぜひやってみてください。
「復習」が生徒によって異なる例
例を挙げればいくらでもありますが、一例として「数学の何かの単元を習ったあとの復習」について考えてみましょう。
- 提出課題のワークを解く
- 自分で買った問題集を解く
- 授業のノートを読み直す
- 教科書を読み直す
などなど、色々な行動の選択肢がありますが、いずれも「復習」と呼ばれています。
ここに挙げた行動のうち、どれかが絶対ダメで、どれかが絶対いいとは言えないのですが、「復習をしなさいよ」という指示だと、生徒は自分が思いつく行動を漠然と行うでしょう。
しかしそもそも高校生は「復習」が何であるかを学んだ経験がありません。そんな中で自分に必要な行為を探し当てられるでしょうか?
それぞれの「復習」はどんな特徴がある?
例えば先ほど挙げた4つの行為に対して、その行為が持つ意味や注意点について少しだけ解説してみましょう。
提出課題のワークを解く
数学の1単元が済んだときに、その単元の学習内容を含む提出課題の問題を解く。これはポピュラーな復習方法ですね。決して悪いことではありません。次のようなメリットがあります。
- 学習内容(例えば正弦定理の公式など)を忘れる前に使うことで、記憶に定着させる。
- 次の授業内容(正弦定理を応用する問題など)にスムーズに入っていけるので、次の授業の内容もよく理解できる。
ただし、次のような注意点もあります。
- 課題を終わらせることばかり考えると、その学習内容の背後にある重要事項(例えば正弦定理の図形的意味など)を忘れてしまい、「ただ公式を立てるだけ」になりやすい。
- 今回の授業内容に対応した課題なのが明らかなので、公式を使い分ける練習はできない。例えば「なぜ今、余弦定理ではなく正弦定理を使うのか」を判断する練習はできない。
- 課題を解く前にすでに学習内容を忘れかけている場合、解答を読むことになってしまうため、解答を写しているのか学習内容を再度思い出しているのか自分では分からないうちに課題が終わってしまう。
こういったメリットや注意点を踏まえると、提出課題の問題を解くのは「学習内容を覚えているとき」に限りますね。時間が経つとあまり意味がないでしょう。また、そうしたとしても注意点の1・2は残ります。
ちなみにコムタスでは「学校課題を利用して成績を上げる」という取り組みも行っております。たとえばこちらの記事をお読みください。
課題を利用して学力をつける方法
自分で買った問題集を解く
自分で買った問題集を解くのは、以下のような点で結構ハードルが高い行為です。
- 学習した内容を過不足なく含む問題を自分で選ぶのが難しい。
- 問題に正解することに意識が向きやすいので、その問題だけ解けるような思考回路になっているのか、幅広く対応できるような思考回路になっているのか自分では判断が難しい。
- にも関わらず「買ったらやり切らなければならない」「3周ぐらいやらなければならない」「やればできる」などという無言の圧力を感じる。
スポーツでも何でもですが、正しい考えで正しいアクションを繰り返せば、その思考法や動きが定着しますよね。
一方で、おかしな考えでおかしなアクションを繰り返してしまうと、おかしなものが自分に定着してしまいます。
そういった意味で、特に上記の2・3には注意が必要と言えるでしょう。
もちろんコムタスでも「塾のテキストだけが大事!」などという指導は全くしておりません。多くの生徒は各自の好みや必要に応じて問題集を購入して取り組んでいますよ。そのときに、おかしな思考回路が定着しないように自ら注意できる学習者へと育成すべきだといつも思っています。
授業のノートを読み直す
実は「授業のノートを読み直す」という行為は、やりようによってはかなり良い勉強法になる可能性を秘めています。以下のような条件を満たすことが必要です。
- 授業で教わった内容が、ある程度幅広い範囲の問題に適用できる思考回路であること。
- 読み直せば内容を思い出せるようなメモを授業中に取れていること。
ただ、1はともかくとして、2が満たされているようなノートを取れる高校生はかなり少ないですね。十分にメモが取れていないノートを読み直しても得るものがないので、この「ノートを読み直す」という勉強法はあまり意味をなさないことが多いです。
とはいえ、将来に備えてきちんとメモを取れるように指導していく必要はあると思っています。また、もしあなたが高校生ならば「読み直したときに意味が分かるメモを取る」という意識を持ってほしいな、とも思います。
逆に、ノートを取るスキルはバッチリでも、適用範囲の狭いことを学んでしまっていると結局はあまり成果につながりません。このあたりは教える側の問題ですね。
教科書を読み直す
これは一番難しいですね。ある意味「学習のゴール」と言えるのが、この「教科書を読む」という行為かもしれません。
もちろん「教科書を読んで内容を理解する」のが本来は理想的な姿だとは思います。
ただ、教科書を読むというのはかなり高度な営みで、現実的には教科書を読んでも理解できない高校生は多いのではないでしょうか?逆に、理解した後で教科書を読むと「ああ!分かる!」となることが多いと思います。
このあたりは掘り下げると長くなるのでここまでにしますが、理解が不十分な状態で教科書を読んでも、うまく読解できない高校生がかなり存在するというのが私の感覚です。
曖昧な「FUKUSHUU」を「ママフク」に昇華させた
ここまでに述べてきたように「復習」という言葉のもつ曖昧さや、たくさんの「復習」行為がもつそれぞれの弱点などを踏まえ、私たちは「復習」の指す身体的・主観的な意味を徹底的に突き詰め、高校生に再現可能な方法を編み出しました。
それが「ママフク」です。
「ママフク」とは「授業の内容をそのまま復習する」という意味なのですが、「そのまま復習って、結局どういうこと?」という疑問は残ってしまいますね。ただ、ママフクの意味ややり方はとても一言・二言で説明できるものではないので、今はこの程度にさせてください。
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